鑑識係の祈り

大阪府警「変死体」事件簿


著者 村上和郎(元大阪府警察 警部) 
発売 2020年11月20日

判型 四六判(272ページ)
仕様 ソフトカバー

定価 1,650円(税込)/ 電子書籍 1,320円(税込)


危険な死体描写、
胸にせまる捜査員の感情。
元鑑識係の著者が、
圧倒的な熱量で書き下ろした
衝撃と哀切の刑事鑑識ノンフィクション! 

〈この世に殺されてもかまわない命は、ただのひとつもないはずだ。《中略》理不尽に奪われた女児の「命の証」は、必ず現場に残されている。それを見つけ出すことが、私たち鑑識係の使命だ。犯行の痕跡を探すことは、すなわち、被害者の「命の証」を探すことでもある〉【序章より】


本書の概要

凶悪犯罪の痕跡を見逃すな
被害者の「命の証」は、必ず現場にある。

警察署の刑事部門一筋、27年——。
約4000体の「変死体」と向き合ってきた
所轄の鑑識係が捧げる、死者への黙祷。

かつて大阪の警察署に、同僚や後輩から「おくりびと」〈納棺師〉と呼ばれる鑑識係がいた。当直のたびに発見される、変死体の数々——。どろどろに腐敗した遺体であっても、彼は嫌な顔ひとつせず、黙々と捜査を続ける。ときに、目を潤ませながら……。

身の毛がよだつ腐乱死体、くり返される事件現場の葛藤——。元警部が限界に挑んだ、刑事鑑識ノンフィクションの新たな境地。捜査員の心が動いた30事件が、「命の意味」をすべての読者に投げかける。


もくじ

【序章】命の証
事件01 浴槽で発見された小5女児

【第1章】殺人
事件02 タクシー強盗殺人
事件03 外国人妻による夫絞殺
事件04 路上に放置された赤ん坊
事件05 新生児を産み捨てた女子高生
事件06 暴力社長への忠誠心
事件07 海に捨てられた名物ばあさん
事件08 めった刺しにされた店主
事件09 井戸に妻を投げ入れた夫
事件10 恋敵をバットで撲殺した少年

【第2章】事故
事件11 巨大トンネル火災事故
事件12 ため池で溺死した4歳女児
事件13 実験中に大爆発した研究室
事件14 7体連続で発見された変死体
事件15 乳幼児突然死症候群
事件16 ベテラン看護師の過ち
事件17 すべてを灰にする火災現場
事件18 3人が生き埋めになった採石場
事件19 全裸女性がまさかの飢餓死

【第3章】自殺
事件20 高層マンションからの飛び降り
事件21 高度に腐敗した首吊り死体
事件22 全身が奇妙な虫だらけの変死体
事件23 ゴミ袋の中で絶命したピアノ講師
事件24 前代未聞の割腹自殺
事件25 投身、焼身、首吊り自殺が連続発生
事件26 家族の前で自殺した男性
事件27 除草剤のビール割り
事件28 デマ情報だらけの硫化水素ブーム

【第4章】検視と死因
事件29 腐乱死体とDNA鑑定
事件30 竹串が証明した刺し傷の謎

【終章】退職の朝
【あとがき】


著者プロフィール

村上和郎〈むらかみ・かずろう〉

元大阪府警察 警部
昭和34(1959)年、大阪府大阪市生まれ。奈良市立一条高等学校卒業。昭和54(1979)年、大阪府警察の巡査を拝命。翌年に配属された枚岡署の警ら課(現・地域課)交番勤務、直轄警察隊を経て、以後は所轄の豊中署、東成署、西成署、布施署、松原署、富田林署の刑事課捜査員や鑑識係として約27年勤務。平成25(2013)年からは吹田署と八尾署の留置管理課をつとめ、平成29(2017)年に健康上の理由で依願退職。在職期間は約38年。現在は飲食店運営会社に勤務。


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